ブロックチェーンの適用事例、フードサプライチェーン

 

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記事の内容
・導入
・フードサプライチェーンの現状と課題
・なぜブロックチェーンか
・ブロックチェーンをどう使うか
・フードサプライチェーンxブロックチェーンの事例

 

[su_heading]導入[/su_heading]

ブロックチェーンが有効と思われる領域の一つとして、サプライチェーンへの適用が盛んに検証されています。

今回、フードサプライチェーンを例に、現状の課題、ブロックチェーンが有効な理由、実装や最近の動向について見ていきます。

[su_heading]フードサプライチェーンの現状と課題[/su_heading]

フードサプライチェーンは、大まかに生産者、加工業者、流通業者、消費者によって構成されています。

特に小売業では、野菜、果物、肉類などを想像すると分かる通り、グローバルレベルでの最適化が進んだ結果、生産者から消費者に届くまで、多数の異なる組織を経由するケースが多くあります。

このようなサプライチェーンの中、産地偽装といった正しくない情報の元で商品が流通したり、食品汚染トラブルが起こった際のトレースバックに時間がかかるといった課題が生じています。

後者については、発生箇所の特定が遅れたり、拡散防止が後手になってしまうといった問題を引き起こします。

国内では対策として、米や、BSE問題を引き起こす可能性のある牛などの重要性の高い食品については、トレーサビリティ法による管理を実施しています。

例えば牛の場合、個体識別番号を付与し、データベースで一元管理することで、消費者や関係者が牛の個体情報を確認することが可能になっています。

このように、産地情報のトレースは現行システムのもとでも可能ですが、まだまだ一部の食品に限定されています。

また、対象商品がどういった流通経路をたどったのか、流通の各段階でどうのような処理がされてきたか、といった情報をたどることは、現状でも容易ではありません。

[su_heading]なぜブロックチェーンか[/su_heading]

産地偽装が発生する原因や、情報のトレースバックが困難な要因の一つとして、複雑化したフードサプライチェーン における情報共有の難しさがあげられます。

利害関係の異なる複数の組織が関係した取引では、情報セキュリティーをどう担保するかや、利害関係の異なる情報を誰が管理するかといった問題により、情報共有は容易ではありません。

ここでブロックチェーンが実現できることをビジネス視点で整理すると、下記の6つに整理できます。

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  • セキュアで信頼できるデータ共有・管理(データ)
  • デジタルアセットの資産化(データ)
  • 圧倒的なプロセス簡略化(プロセス)
  • 信頼のない2者間での直接的なやりとりの構築(プロセス)
  • トークン設計によるエコノミー構築(マーケティング)
  • 分散型組織の実現(組織)

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データに関して言えば、ブロックチェーンを導入することで、複数の組織間において「セキュアで信頼できるデータ共有・管理」が可能になります。

これにより、現状のトレースバックの課題を解決することが可能になります。

ウォルマートが行なった実証検証では、ブロックチェーンを導入し、サプライチェーン全体で情報共有することで、商品のトレースバックを数週間から数秒へ短縮ができたといった報告もあります。

また、スマートコントラクトを活用することで、流通の各段階における温度や湿度の管理状況といった情報の取り込みも可能になり、より透明性の高いサプライチェーン管理が可能になることも考えられています。

このように、ブロックチェーンは、フードサプライチェーンの課題解決に有用なアプローチであると考えられています。

[su_heading]ブロックチェーンをどう使うか[/su_heading]

フードサプライチェーンへの実装方法は複数ありますが、その一つとして、ビットコインの取引で登場するビットコインアドレスのようなものを商品毎に発行し、そのアドレスにその後の取引情報を紐づける方法などが用いられています。

この際、商品とユニークに紐づくQRコードが発行され、サプライチェーン上で経由する各組織がそのQRコードを読み込むことで、ブロックチェーン上に記録が書き込まれ、産地から消費者まで一連の情報が一元的に管理されます。

また、フードサプライチェーンにブロックチェーンを適用する際には、処理速度の問題を解決するために、参加組織を事前承認とするプライベート型やコンソーシアム型を用いることが多いです。

[su_heading]フードサプライチェーンxブロックチェーンの事例[/su_heading]

事例としては、ウォルマートなどの大手小売企業十数社とIBMが進めている、IBM Food Trustが有名です。

最近では、FDAが導入を検討しているといった話題もあり、今後も拡大が見込まれています。

その中でもウォルマートは、取引する企業に対して、一部の野菜の取引データを、2019年9月までにブロックチェーン上に登録することを求めるなど、積極的な取り組みを見せています。

その他の推進組織としては、VeChain Fondationが展開しているVeChainも有名です。

こちらも、高級ワイン、乳製品、農産物、国内では緑茶といった、様々な食料品での検証を進めています。

国内企業では、テックビューロホールディングス株式会社が手がけるブロックチェーンプラットフォームであるmijinを用いたジビエ食品のトレーサビリティーなどが有名です。

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