サーキュラーエコノミースタートアップのdigglueが、循環型経済をデザインするグローバル・アワード「crQlr Awards (サーキュラー・アワード)2023」で3つの賞を受賞

株式会社digglue(本社:東京都新宿区、代表者:原英之・中谷元)は、循環型経済をデザインするプロジェクトやアイデアを世界から募集するアワード「crQlr Awards (サーキュラー・アワード)2023」にて、3つのアワードを受賞したことを発表いたします。

「crQlr Awards (サーキュラー・アワード)2023」は、株式会社ロフトワーク(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:諏訪光洋)とクリエイティブコミュニティFabCafe Globalが主催するグローバルアワードで、1月29日に受賞プロジェクト28点が発表されました。このうち3つの賞を株式会社digglueの「MateRe-DPP」と「MateRe(資源循環プラットフォーム)」が受賞しました。

受賞したプロジェクトとアワード、各賞に関する審査員のコメントは以下の通りです。

プロジェクト名受賞アワードURL
MateRe-DPPデジタル製品パスポート&環境貢献PRツール「DPP Forerunner Prize」「We care when we See Award」https://crqlr.com/ja/crqlr-awards/2023/winners/matere-dpp/
MateRe資源循環DXプラットフォーム「データドリブンでコラボレーション創出」賞https://crqlr.com/ja/crqlr-awards/2023/winners/matere/

【DPP Forerunner Prize】賞

  • 受賞プロジェクト:「MateRe-DPP」
  • プロジェクト概要:
    • 【MateRe-DPP】は、EUにおける持続可能な製品のためのエコデザイン規則に向けて議論の進むDPP(デジタル製品パスポート)に対応するプロダクトです。「MateRe-DPP」の特徴は、「規制対応だけを目的とせず、消費者とサステナブルな関係を築く」ことをコンセプトとし、商品の魅力を訴求するための販促ツールと、購入後のアフターフォロー(メンテナンス・リユース・修理・リサイクル)を通してサーキュラーエコノミーを推進するツールとして機能します。

審査員コメント:

審査員:Aining Ouyang氏(REnato lab COO)


This is a project that combines experimental and systematic potential. When it comes to “circularity,” most people overlook that “waste” is just the result, and the “cause” is the “disconnection in the relationship between people and objects.” This project leverages technology to rekindle friendly relationships between ‘the majority of people’ and ‘a vast number of objects,’ and it also showcases a new concept that is currently underway in the global direction of DPP.


これは実験的な可能性と体系的な可能性を兼ね備えたプロジェクトです。「循環」について考えるとき、多くの人は結果に過ぎない「廃棄物」に関心がいき、原因である「人とモノの関係の断絶」を見落としています。このプロジェクトは、テクノロジーを活用して「大多数の人」と「膨大な数のモノ」との友好的な関係を再構築するものであり、世界的に進行中のDPP(デジタルプロダクトパスポート)というコンセプトの具現化でもあります。


Ⓒ 2023 Loftwork Inc.
コモンズ証:https://creativecommons.org/licenses/by-nd/4.0/deed.ja

【We care when we See Award】賞

  • 受賞プロジェクト:「MateRe-DPP」

審査員コメント:

審査員:廣末 幸子 / Sachiko Hirosue氏(株式会社大阪鉛錫精錬所 代表取締役社長)

Giving agency to the consumer to make choices beyond material desire, to affect cultural values, can affect the business models of the manufacturers to choose values in addition to profit. However, this is still a very underdeveloped part of the circular economy.

Early models to affect cultural change by directly addressing consumers, has commonality with the HIV/AIDS charity concerts. In this model, there was consumption of culture (initiated by artists) to send out the message to change culture (discrimination against the infected). When it comes to material things, the plastic shopping bag, polluting and harming life on land and sea, is another highly visible consumer awareness to cultural change movement. But is the alternative solution, replacement by every other organization giving out cotton shopping bags, a true solution? Is another form of consumption appeasing our guilt of consuming plastic bags? Who is looking at the entire life cycle when the cycle involves so many players? This project has the potential to address this – by making every step traceable.

Being seen is one of the best ways to involve diverse partners to come up with creative solutions, and ultimately changing social behaviours. The choice of the NFC tag brings the consumer closer to the product life cycle in an inexpensive way. Given, one has a smart phone, why not just a QR code? That Digglue has already made such a passport for EU and other projects is exciting.

crQlrAwards entry No.80, which is submitted by the same group, digglue, completes the cycle. Why not take the consumer part and bring it full circle by connecting the waste to recycling, certifying the materials to be chosen by the manufacturer?

消費者が物質的な欲望を超えた選択をし、文化的な価値観に影響を与えることで、メーカーのビジネスモデルに影響を与えることができます。しかし、循環型経済においてこれはまだ非常に未発達な部分です。

消費者への直接的な働きかけで文化的な価値変化に影響を与える初期のモデルは、HIV/AIDSのチャリティコンサートなどに共通して見られたものです。このモデルでは、(アーティスト主導の)文化消費という形のメッセージの発信が文化(感染者に対する差別)を変えました。物質的なことで言えば、陸と海の生命を汚染し害するプラスチック製レジ袋の問題も、消費者意識の変化が文化の変革を起こしたわかりやすい例です。しかし、あらゆる組織がやっている、代替としてコットンのショッピングバッグを配ることは真の解決策なのでしょうか?単にレジ袋を消費することに対する罪悪感を和らげるだけではなく、別の形の消費は存在するのでしょうか?そのサイクルにあまりにも多くのプレーヤーが関わっているとき、ライフサイクル全体を見わたせるのは誰でしょうか?このプロジェクトは、すべての段階を追跡可能にすることで、この問題に答えを出せる可能性を秘めています。

「見られる」ということは、多様なパートナーを巻き込んで創造的な解決策を考え出し、最終的に社会的行動を変える最善の方法のひとつです。NFCタグを使うことで、消費者は安価に製品のライフサイクルに近づけます。さらに良いのはQRコードです。誰もがスマートフォンを持っているのですから。digglue社はすでにEUのためにこのようなパスポートを作っており、他のプロジェクトもエキサイティングです。

diggueの同じグループがcrQlr Awards 2023に提出したプロジェクト(No.80、デジタル製品パスポート&環境貢献PRツール「MateRe-DPP」)と合わせれば、このサイクルを完成させられます。消費者をそこに組み込むことで廃棄物をリサイクルに繋げ、メーカーが製造に使える材料として認証するような、全体的な循環を構築できるのでは?

Ⓒ 2023 Loftwork Inc.コモンズ証:https://creativecommons.org/licenses/by-nd/4.0/deed.ja

【データドリブンでコラボレーション創出】賞

  • 受賞プロジェクト:「MateRe」資源循環DXプラットフォーム
  • プロジェクト概要:
    • 【MateRe】は、資源循環を成立させるために必要な情報の連携・可視化を通してCE実現をサポートするプロダクトです。「MateRe-Tracerbility」(2023年末にβ版をローンチ予定*1)で資源循環に必要なトレース情報を企業と企業の間でつなぎ、「MateRe-Visualizaiton」で情報を詳細まで可視化・分析することができます。情報が可視化し、繋がっていくことで、企業間連携を促進し、資源の循環を推進します。

*1) 「MateRe-Tracerbility」は2023年12月にリリースいたしました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000039284.html

審査員コメント:

審査員:木下 浩佑 / Kosuke Kinoshita氏(MTRL / FabCafe Kyoto マーケティング & プロデュース)

トレーサビリティの重要性は承知しつつ、そのために必要なデータの計測と共有が「簡単にはできない」ことが、製造業におけるサーキュラーデザイン実現のボトルネックになっていた…というケースは多いのではないでしょうか。そんな課題を持つ事業者を支援してくれるデジタルプラットフォームとなることはもちろん、計測と共有にとどまらず「データドリブンで既存のサプライチェーンの枠組みを超えたコラボレーション機会を生み出す」可能性に期待が膨らみました。

Ⓒ 2023 Loftwork Inc.コモンズ証:https://creativecommons.org/licenses/by-nd/4.0/deed.ja
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